老人ホーム・介護施設

認知症の親が入れる施設は?種類ごとの特徴と選び方

約19分で読めます 家族ナビ編集部
認知症の親が入れる施設は?種類ごとの特徴と選び方

「親が認知症と診断された。施設への入居を考えているけれど、どんな施設を選べばいいのか分からない」——そう感じているご家族に向けて、認知症の方が入居できる施設の種類と、それぞれの特徴・費用感・選び方をまとめました。

結論を先にお伝えすると、認知症の方が入居できる主な施設は「グループホーム」「介護付き有料老人ホーム」「特別養護老人ホーム(特養)」の3つが中心です。認知症に特化した支援環境を重視するならグループホーム、医療・介護を一体的に受けたいなら介護付き有料老人ホーム、費用を抑えて長期的な入居を希望するなら特養が候補になります。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や住宅型有料老人ホームも施設によっては対応可能ですが、認知症ケアの体制は施設ごとに大きく異なります(以下の数値はすべて2026年時点の一般的な目安です)。

認知症の方が入れる施設の種類

認知症の方が入居を検討できる代表的な施設を一覧にまとめます。施設の種類によって対応方針や費用、入居条件が異なります。

施設の種類認知症への対応入居条件(主なもの)月額費用の目安
グループホーム認知症専門(少人数ケア)要支援2以上+認知症の診断+同一市区町村の住民票約12〜18万円
介護付き有料老人ホーム施設により認知症ケア専門棟あり要支援1以上(施設による)約15〜30万円
特別養護老人ホーム(特養)幅広い要介護者に対応原則要介護3以上約8〜15万円
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)施設による(対応可否を確認)60歳以上または要支援・要介護約10〜25万円
住宅型有料老人ホーム施設による(対応可否を確認)施設による約15〜30万円

※ 費用は調査時点の一般的な目安です。実際の金額は施設・地域・介護度・居室タイプにより異なります。

サ高住や住宅型有料老人ホームは認知症対応をうたう施設も増えていますが、ケア専門性のばらつきが大きいため、見学時に「認知症の方の受け入れ実績」「夜間の職員体制」を必ず確認することをおすすめします。

施設の種類全体を比較したい場合は「老人ホームの種類と比較」もご覧ください。

タイプ別の特徴と費用感

グループホーム

グループホームとは、認知症の高齢者が5〜9人の少人数グループで共同生活を送りながら専門スタッフの支援を受ける施設です。正式名称は「認知症対応型共同生活介護」といいます。

認知症ケアの観点からの特徴:

  • 少人数の家庭的な環境 — なじみのスタッフと顔なじみになりやすく、穏やかな日常を保ちやすい
  • 本人のペース重視 — 食事の準備や掃除など、できる範囲で日常の役割を持てる設計
  • 地域密着型 — 施設と同一市区町村の住民が対象。地域とのつながりを保てる
  • 医療連携 — 施設によって連携医療機関の体制が異なる。医療的ケアへの対応範囲は施設ごとに確認が必要
  • 看取り — 看取りに対応する施設も増えているが、全施設が対応しているわけではない

費用の目安は月額約12〜18万円(初期費用は0〜数十万円程度)。費用の詳細は「老人ホームの費用相場」をご参照ください。

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームとは、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた民間施設で、施設スタッフが24時間体制で介護を提供します。

認知症ケアの観点からの特徴:

  • 認知症専門棟・フロアを設ける施設もある — 症状の程度に応じたケアを受けやすい
  • 医療連携が比較的充実 — 看護師が常駐し、医療機関との連携体制を整えている施設が多い
  • 看取りへの対応施設が多い — 長期的に住み続けることを前提とした設計が多い
  • 要支援1から入居できる施設もある — 認知症の早期から入居しやすい

費用の目安は月額約15〜30万円と幅があります(初期費用は0〜数百万円以上)。設備・立地・サービスの内容によって大きく異なります。

特別養護老人ホーム(特養)

特別養護老人ホーム(特養)とは、常時介護が必要な高齢者が長期間生活できる公的施設です。社会福祉法人や地方自治体が運営します。

認知症ケアの観点からの特徴:

  • 費用が抑えやすい — 月額約8〜15万円が目安で、公的施設のなかでは費用を抑えやすい
  • 重度認知症にも対応 — 要介護3以上が対象のため、症状が進行した段階でも入居しやすい
  • 入居待ちが生じることがある — 地域によっては申し込みから入居まで時間がかかるケースもある
  • 初期費用は原則0円 — 入居一時金が不要なため、初期費用の負担が少ない

原則として要介護3以上が入居対象となります。認知症の診断があっても、要介護度が2以下の段階では特養への入居が難しい場合があります。

ワンポイント

サ高住や住宅型有料老人ホームで認知症ケアを受ける場合、外部の訪問介護・デイサービス等を組み合わせる形になります。施設に常駐するスタッフの体制と、必要なケアを受けられる環境かどうかを、事前に確認することが大切です。

施設を選ぶときのポイント

認知症の方が施設を選ぶ際には、一般的な選び方に加えて認知症特有の視点が重要になります。

  • 認知症ケアの専門体制 — 認知症ケアの研修を受けたスタッフがいるか、認知症ケアに関する方針や取り組みを確認する
  • 職員の配置と定着率 — スタッフが頻繁に入れ替わると、本人が環境変化にストレスを感じやすい。見学時に雰囲気や職員との関わりを確認する
  • 夜間の対応体制 — 認知症の方は夜間に不安になりやすいことがある。夜間の職員配置と緊急時の対応手順を確認する
  • 症状の進行時にどう対応するか — 現在の施設で看取りまで対応してもらえるか、または状態が変わった場合の転居支援があるかを確認する
  • 本人の状態との相性 — 少人数の落ち着いた環境を好む方にはグループホームが合いやすく、医療的なケアが必要な方には医療連携が充実した施設が向いている場合が多い
  • 家族の面会のしやすさ — 立地・交通アクセスは継続的な面会の頻度に影響する
  • 費用の持続可能性 — 月額費用が長期的に支払えるかを、施設入居前に家族で確認しておく
ワンポイント

入居後に「思っていた環境と違う」と感じることを防ぐには、見学時に実際の入居者やスタッフの様子を直接確認することが大切です。可能であれば複数施設を見学し、本人も一緒に訪問できると、より具体的な判断材料が得られます。

進行に合わせた住み替えの考え方

認知症は時間の経過とともに症状が進行することがあります。入居当初に合っていた施設が、状態の変化によって合わなくなるケースも少なくありません。

  • 軽度の段階: サ高住や住宅型有料老人ホームで外部サービスを組み合わせる選択肢が広がりやすい。グループホームも早期から入居できる場合がある
  • 中等度以降: グループホームや介護付き有料老人ホームで一体的な介護を受ける形が検討しやすい
  • 重度の段階(要介護3以上): 特養や介護付き有料老人ホームの看取り対応フロアが選択肢に入る

「最初に入った施設で最後まで」とは限らないため、入居前に「状態が変化したときにどうなるか」を施設側に確認しておくことで、将来の見通しが立てやすくなります。

ワンポイント

施設の受け入れ可否は、認知症の種類・進行度・医療的ケアの必要性などによっても変わります。まずはかかりつけ医や担当ケアマネジャー、地域包括支援センターに相談し、医療機関と連携しながら検討を進めることをおすすめします。施設選びの全体像については「老人ホーム・介護施設への入り方」もご覧ください。

まとめ

  • 認知症の方が入居できる施設は主に「グループホーム・介護付き有料老人ホーム・特養」の3種類が中心
  • グループホームは認知症専門で少人数の家庭的な環境が特徴(月額約12〜18万円が目安)
  • 介護付き有料老人ホームは医療連携・看取り対応が比較的充実(月額約15〜30万円が目安)
  • 特養は費用を抑えやすく重度対応も可能だが、要介護3以上が原則(月額約8〜15万円が目安)
  • 施設選びでは「認知症ケアの専門体制・夜間対応・症状進行時の対応方針」を重点的に確認する
  • 認知症の進行に合わせて住み替えが必要になるケースもあるため、長期的な見通しも視野に入れておく

(費用の数値はすべて2026年時点の一般的な目安です。実際の金額は施設・地域・介護度により異なります)

認知症でも老人ホームに入れますか?

入居できる施設はあります。グループホームは認知症の方を専門に受け入れる施設です。介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホームも認知症の方を受け入れているケースが多くあります。施設ごとに受け入れ条件や対応できる症状の程度が異なるため、見学・問い合わせ時に確認することをおすすめします。

グループホームと介護付き有料老人ホームはどう違いますか?

グループホームは認知症専門で5〜9人の少人数環境が特徴です。介護付き有料老人ホームはより大きな施設が多く、医療連携や看取りへの対応が比較的充実しています。費用はグループホームが月額約12〜18万円、介護付き有料が約15〜30万円が目安です。詳しくは「[グループホームとは](/roujin-home/group-home/)」と「[有料老人ホームとは](/roujin-home/yuryo/)」をご覧ください。

特養(特別養護老人ホーム)には認知症でも入れますか?

入居できます。特養は原則として要介護3以上が対象で、費用が月額約8〜15万円と抑えやすい公的施設です。ただし地域によっては申し込みから入居まで時間がかかることがあります。詳しくは「[特別養護老人ホームとは](/roujin-home/tokuyou/)」をご覧ください。

認知症の施設にかかる費用はどのくらいですか?

施設の種類によって異なります。特養が月額約8〜15万円、グループホームが約12〜18万円、介護付き有料老人ホームが約15〜30万円が目安です(2026年時点)。費用の詳細と制度利用については「[老人ホームの費用相場](/roujin-home/cost/)」をご参照ください。

認知症の施設選びは誰に相談すればいいですか?

まずは担当のケアマネジャーか、地域包括支援センターに相談することをおすすめします。施設探しの支援や、医療機関との調整を含めたサポートを受けられます。かかりつけ医への相談も、認知症の状態に合った施設を絞り込む際に役立ちます。

認知症が進行したら施設を変えなければなりませんか?

必ずしも変わる必要はありませんが、施設によって対応できる症状の範囲や医療ケアの程度が異なります。入居前に「状態が重くなった場合の対応方針」を確認しておくと、将来の見通しが立てやすくなります。

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