実家じまい・実家の片付け

実家じまいでやってはいけない7つのこと|よくある失敗と回避策

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実家じまいでやってはいけない7つのこと|よくある失敗と回避策

実家じまいは、一度進めてしまうと元に戻せない判断が続きます。捨てた物は戻らず、壊した家も戻りません。そして失敗の多くは、知っていれば避けられたものです。

結論を先にお伝えすると、実家じまいで特に取り返しがつきにくいのは「相続放棄を検討する前に家財を処分すること」「売却時期を決めずに先に解体すること」「きょうだいに相談せず片付けを始めること」の3つです。この記事では、後悔につながりやすい7つの判断と、それぞれの回避策を整理します。

1. きょうだい・相続人に相談せずに片付けを始める

最も多く、そして最も尾を引くのがこれです。現地に近い人が「自分がやるしかない」と善意で始めた片付けが、後から「勝手に処分された」という不信につながるケースは珍しくありません。

法的にも、相続財産は相続人全員の共有状態にあるため、一人の判断で処分することは本来の手続きから外れます。

回避策: 着手前に、①家を最終的にどうするか、②費用を誰がどう負担するか、③形見分けの決め方、の3点を共有します。写真を撮って共有しながら進めると、離れて住むきょうだいも状況を把握できます。作業の負担が一人に偏る場合は、費用負担で調整する方法もあります。

2. 相続放棄を検討する前に家財を処分する

見落とされやすく、影響が大きい失敗です。

民法921条により、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認したものとみなされます。単純承認とは、プラスの財産も借金などのマイナスの財産も、すべて引き継ぐことを承認した状態です。つまり、家財を売ったり処分したりした後では、相続放棄が認められなくなるおそれがあります

親に借金があるかもしれない、家に価値がなく負担だけが残りそうだ——そうした状況では、片付けより先に財産と負債の全体像を確認する必要があります。

回避策: 負債の可能性が少しでもある場合は、家財に手をつける前に弁護士・司法書士へ相談してください。相続放棄の申述は自己のために相続の開始があったことを知った時から原則3か月以内です(出典: 裁判所)。判断に時間が必要な場合、期間の伸長を家庭裁判所に申し立てられる制度もあります。

ワンポイント

一般に、経済的価値のほとんどない身の回り品の形見分けは処分に当たらないと解されていますが、どこまでが許されるかは個別の事情によって判断が分かれます。迷う場合は自己判断で進めず、専門家に確認することをおすすめします。費用が不安な場合は法テラスの無料法律相談を利用できることがあります。

3. 売却の時期を決めないまま先に解体する

「更地のほうが売れる」と聞いて先に解体し、売却が長引いて税負担だけが増えた——という失敗です。

住宅が建っている土地には固定資産税の住宅用地特例が適用されますが、更地にするとこの特例の対象外となり、翌年からの固定資産税が上がります。売却が決まらないまま更地で持ち続けると、解体費に加えて税負担が積み上がります。

回避策: 解体するかどうか、いつ解体するかは不動産会社と相談してから決めます。買主が決まってから解体する条件で契約する方法や、古家付きのまま売る方法もあります。

4. 一社だけの見積もりで業者を決める

家財の片付けは実家じまいで最も金額の大きい項目のひとつです。ここを比較せずに決めると、相場より高い金額を払うことになりかねません。

国民生活センターによると、不用品回収サービスに関する相談は2021年度に2,000件を超えており、「軽トラックパック◯円」などの広告料金で申し込んだところ、作業後に高額な料金を請求された事例も報告されています(出典: 国民生活センター)。

回避策: 複数社から見積もりを取り、内訳と追加料金の有無まで比べます。「一式」でまとめられた見積もりは後から追加請求が起きやすい形です。あわせて、家庭から出るごみの収集・運搬には市区町村の「一般廃棄物処理業の許可」が必要なため、許可の有無も確認してください(出典: 環境省)。業者の見極め方は遺品整理業者の選び方で詳しく解説しています。

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5. 貴重品・重要書類を探す前に処分を始める

通帳・権利証・保険証券・遺言書などは、タンスの奥や仏壇の引き出し、本の間から出てくることがあります。まとめて処分に出した後では取り戻せません

回避策: 仕分けの前に、貴重品と重要書類だけを探す時間を確保します。探す対象は次の通りです。

  • 預貯金通帳・印鑑・キャッシュカード
  • 権利証(登記識別情報)・保険証券・年金手帳
  • 遺言書・エンディングノート
  • 現金・商品券・株券
  • 借入や保証に関する書類

6. 仏壇・位牌・遺影を確認せずに処分する

仏壇や位牌は、家族の間で受け止め方が最も分かれやすい物です。片付けの流れで処分してしまい、後から強い反発を招くことがあります。

回避策: 仏壇は閉眼供養(魂抜き)をしてから処分・引き取りに出すのが一般的です。引き継ぐ人がいないか、菩提寺があるかを先に確認してください。扱い方は実家じまいで仏壇はどうする?にまとめています。お墓についても、今後お参りできるかを含めて家族で話し合っておくと、後から慌てずに済みます。

7. 期限を意識せずに先送りする

実家じまいには、意識しないと過ぎてしまう期限があります。

手続き期限
相続放棄の申述自己のために相続の開始があったことを知った時から原則3か月以内
相続税の申告・納付相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内
相続登記の申請相続により取得したことを知った日から3年以内(2024年4月1日から義務化)
空き家の3,000万円特別控除相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで

特に3,000万円の特別控除は金額の影響が大きく、期限を過ぎると使えなくなります。適用には他にも要件があるため、税務署や税理士にご確認ください。

回避策: すぐに全部を進められなくても、期限のある手続きから逆算して計画を立てます。進め方の全体像は実家じまいの手順7ステップで解説しています。

まとめ

  • 最も尾を引く失敗はきょうだいに相談せず片付けを始めること。着手前に方針・費用・形見分けを共有する
  • 相続放棄を検討する前の家財処分は単純承認とみなされるおそれがある。負債の可能性があるなら先に専門家へ
  • 売却時期を決めずに先に解体すると、更地になった翌年から固定資産税が上がる
  • 家財の片付けは相見積もりと許可の確認が基本。一式見積もりは追加請求が起きやすい
  • 貴重品・重要書類は仕分けの前に探し出す
  • 相続放棄3か月・相続税10か月・相続登記3年・空き家控除3年の期限から逆算して計画する
実家じまいで一番やってはいけないことは何ですか?

相続放棄を検討する余地がある段階で家財を処分してしまうことです。民法921条により、相続財産を処分すると単純承認したものとみなされ、借金を含めてすべて相続することになるおそれがあります。親に負債があるかもしれない場合は、片付けより先に専門家へ相談してください。

きょうだいに相談せずに実家を片付けてもいいですか?

避けたほうがよい進め方です。相続財産は相続人全員の共有状態にあるため、一人の判断で処分すると後々の不信やトラブルにつながります。着手前に、家をどうするか・費用の分担・形見分けの決め方の3点を共有し、写真を撮って進捗を共有しながら進めるのがおすすめです。

実家は解体してから売ったほうがいいですか?

一概には言えません。更地にすると固定資産税の住宅用地特例の対象外となり、翌年からの税負担が上がります。売却が長引くとその負担が積み上がるため、解体の要否と時期は不動産会社と相談してから決め、古家付きのまま売る選択肢も含めて検討してください。

遺品整理業者を選ぶときの注意点は何ですか?

複数社から見積もりを取り、内訳と追加料金の有無まで比べることです。「一式」でまとめられた見積もりは後から追加請求が起きやすい形です。また、家庭から出るごみの収集・運搬には市区町村の一般廃棄物処理業の許可が必要なため、許可の有無も確認してください。

実家じまいで意識すべき期限はありますか?

相続放棄は知った時から原則3か月以内、相続税の申告・納付は知った日の翌日から10か月以内、相続登記は取得を知った日から3年以内(2024年4月から義務化)、空き家の3,000万円特別控除は相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。特に控除は金額の影響が大きいため、早めの確認をおすすめします。

参考にした公的資料

※ 公的資料は本記事の調査時点で参照したものです。制度・要件・期限は改定される場合があるため、最新は各窓口・公式サイトでご確認ください。

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