終活・葬儀・お墓

エンディングノートの書き方|何を書く?項目と始め方

約17分で読めます 家族ナビ編集部
エンディングノートの書き方|何を書く?項目と始め方

「エンディングノートを書いてみたいけれど、何をどこから書けばいいのかわからない」。そう感じている方は少なくありません。書き方に決まったルールはなく、自分のペースで進められるのがエンディングノートの特徴です。

結論を先にお伝えすると、エンディングノートとは自分の情報・希望・気持ちを家族に残すための覚書です。法的な効力はなく、気軽に始められる一方で、財産や医療の希望など大切な情報を整理するうえで非常に役立ちます。書く項目は「基本情報」「財産・口座」「医療・介護の希望」「葬儀・お墓」「デジタル・連絡先」「家族へのメッセージ」の6つが主な柱です。


エンディングノートとは

エンディングノートとは、自分の基本情報や財産・医療・葬儀などの希望を、家族に伝えるために書き残しておくノートです。

「終活ノート」「遺言ノート」とも呼ばれることがありますが、内容や形式に決まりはなく、市販のノートや無料テンプレート、手書きのメモなど、自分にあった形で作れます。

遺言書との違い

エンディングノートと遺言書はよく混同されますが、両者には大きな違いがあります。

比較項目エンディングノート遺言書
法的効力なしあり(要件を満たした場合)
書き方自由形式法律で形式が定められている
財産の分け方希望の記録にとどまる法的に有効な意思表示になる
訂正・書き直しいつでも自由にできる形式に沿った手続きが必要
ワンポイント

エンディングノートには法的な効力はありません。財産の分け方や相続に関して法的に有効な意思表示をしたい場合は、別途、遺言書の作成が必要です。遺言書の形式・要件については、法務局や司法書士・弁護士などの専門家・公的窓口にご確認ください。


エンディングノートに書く項目

エンディングノートに書く主な項目は6つです。すべてを一度に書く必要はなく、書けるところから少しずつ埋めていくことができます。

① 自分の基本情報

自分の情報を家族が把握できるよう、基本的なプロフィールを残します。

  • 氏名・生年月日・住所・本籍
  • 血液型・身長・体重などの身体情報
  • これまでの学歴・職歴の概要
  • 資格・免許の種類
  • かかりつけ医・持病・服薬中の薬(薬名)

② 財産・口座・保険・年金

家族が困りやすい「お金まわり」の情報を整理しておきます。

  • 預貯金口座の金融機関名と口座の種類(番号の書き方は保管場所の安全性に注意)
  • 不動産・株式・投資信託などの保有資産の概要
  • 生命保険・医療保険・火災保険の会社名と証券番号
  • 年金の種類(国民年金・厚生年金・企業年金など)と基礎年金番号
  • 借入金・ローンがある場合はその概要
ワンポイント

財産情報はプライバシーに関わる重要な情報です。保管場所を信頼できる家族に伝えておくか、鍵のかかる場所に保管しましょう。ノート本体に口座番号・暗証番号をそのまま書くことはおすすめしません。別紙に記載して封印する方法も選択肢の一つです。

③ 医療・介護の希望

万が一のとき、自分の意思を伝えるために特に重要な項目です。

  • 延命治療に関する考え方(望む・望まない・家族に一任 など)
  • 介護が必要になった場合に希望する場所(自宅・施設 など)
  • 認知症になった場合の財産管理についての考え(後見制度の活用など)
  • 臓器提供・献体に関する意思

これらの希望は法的な効力を持つものではなく、家族や医療・介護チームへの「参考情報」として機能します。希望を確実に反映したい場合は、成年後見制度や任意後見制度について専門家にご相談ください。

④ 葬儀・お墓の希望

家族が迷いやすい場面を減らすために、自分の意向を残しておけます。

  • 葬儀の規模・形式の希望(家族葬・一日葬 など)
  • 宗教・宗派や菩提寺の有無
  • お墓に関する希望(一般墓・樹木葬・散骨 など)
  • 葬儀費用のための積立・保険の有無
  • 喪主や葬儀の取り仕切りをお願いしたい人

葬儀費用の目安は葬儀費用の相場はいくら?種類別の内訳と抑えるポイント、お墓の種類・費用はお墓の種類と費用の目安で詳しく解説しています。

⑤ デジタル・連絡先

スマートフォンやパソコン、SNSアカウントの情報も整理しておくと家族の手間を大きく減らせます。

  • スマートフォン・パソコンのロック解除方法の保管先(直接の記載は避け、信頼できる場所への誘導に)
  • メールアカウント・SNSアカウントの一覧と削除・引継ぎの希望
  • サブスクリプションサービスの解約に必要な情報の保管場所
  • 家族・友人・職場・かかりつけ医など主要な連絡先リスト
  • もしものとき真っ先に連絡してほしい人

⑥ 家族へのメッセージ

感謝の気持ちや想いを言葉にして残しておくことも、エンディングノートならではの大切な役割です。

  • 家族・友人への感謝のメッセージ
  • 家族に伝えておきたいこと・お願いしたいこと
  • 自分の人生で大切にしてきたこと
  • 形見として渡したいものと相手

書き方のコツと始め方

エンディングノートを無理なく続けるために、いくつかのポイントを意識すると取り組みやすくなります。

  1. 書きやすいところから始める: 最初のページから順番に埋める必要はありません。「基本情報」や「連絡先」など、抵抗感の少ない項目から書き始めると続けやすくなります。
  2. 鉛筆や付箋で気軽に書く: 情報は変わることが前提です。ボールペンで清書するより、鉛筆や修正しやすい方法で記入しておくと、後から書き直しやすくなります。
  3. 完璧を目指さない: すべての項目を埋めなければならないわけではありません。書けないこと・決まっていないことは「未定」「家族に一任」と書いておくだけでも、家族への大切なメッセージになります。
  4. 定期的に見直す: 引越し・転職・家族構成の変化・財産の増減など、状況が変わったタイミングで内容を更新しましょう。目安として、1〜2年に一度の見直しを習慣にする方もいます(2026年時点)。
  5. 保管場所を家族に伝える: エンディングノートは、存在を知ってもらえなければ意味がありません。保管場所を信頼できる家族に伝えておくか、わかりやすい場所に置いておきましょう。
ワンポイント

市販のエンディングノートには、書く項目があらかじめ整理されており、ゼロから考える手間が省けます。費用は1,000〜2,000円程度が目安です。無料のテンプレートをダウンロードして活用する方法もあります。どちらも内容・形式に法的な違いはなく、自分が使いやすい方を選べます。


注意点

エンディングノートを活用するうえで、あわせて知っておきたい注意点があります。

ワンポイント

法的効力と個人情報の取り扱いについて

  • エンディングノートに記載した財産の分け方や遺産の配分には、法的な効力はありません。財産に関して法的に有効な意思表示を残したい場合は、遺言書の作成が必要です。遺言書の要件については、弁護士・司法書士や法務局などの公的窓口にご確認ください。
  • 相続税・贈与税など税務に関する判断は、税理士や税務署にご相談ください。
  • エンディングノートには口座番号・暗証番号・パスワードなどの重要な個人情報が集まります。保管場所には十分ご注意ください。紛失・盗難・第三者による悪用のリスクを意識し、鍵のかかる場所に保管するか、信頼できる家族と保管方法を事前に共有しておくことをおすすめします。

終活全体のやることを整理したい方は終活とは?やることチェックリストと始め方をやさしく解説もあわせてご覧ください。


エンディングノートは市販品と無料テンプレートのどちらがよいですか?

どちらでも内容に法的な違いはなく、自分が使いやすい方を選べます。市販品は1,000〜2,000円程度が目安で、書く項目が整理されており始めやすいとされています。無料テンプレートはダウンロードして印刷する形が一般的で、費用をかけずに試せます。

何の項目から書き始めるのがよいですか?

書きやすいと感じるところから始めるのが続けやすいとされています。基本情報(氏名・住所など)や連絡先リストは比較的取り組みやすい項目です。医療や財産など決断が必要な項目は、気持ちが整ったタイミングで少しずつ書き進めるとよいでしょう。

エンディングノートと遺言書の違いは何ですか?

エンディングノートは自由形式の覚書で、法的な効力はありません。遺言書は法律で定められた要件を満たすことで法的効力を持ち、財産の分け方などを法的に残せます。財産に関して確実に意思を反映させたい場合は、司法書士・弁護士などの専門家や法務局へご相談ください。

エンディングノートは家族に見せた方がよいですか?

保管場所を伝えておくことは重要ですが、内容をすべて事前に見せるかどうかは個人の考え方によります。医療・介護の希望については、家族と事前に話し合っておくと、万が一のとき家族が方針を決めやすくなります。

一度書いたエンディングノートは書き直せますか?

いつでも自由に書き直せます。遺言書と異なり、形式上の手続きは不要です。状況の変化(転居・家族構成の変化・財産の増減など)に応じて定期的に見直すことをおすすめします。


まとめ

  • エンディングノートとは、自分の情報や希望を家族に伝えるための覚書です(法的な効力はありません
  • 書く項目の主な柱は「基本情報」「財産・口座・保険」「医療・介護の希望」「葬儀・お墓」「デジタル・連絡先」「家族へのメッセージ」の6つ
  • 書き方に決まりはなく、書きやすいところから始め、鉛筆など修正しやすい方法で記入するのが長続きのコツ
  • 財産の分け方を法的に残したい場合は遺言書が必要。相続・遺言・税務については専門家や公的窓口に確認することをおすすめします
  • 作成後は保管場所を家族に伝え、状況の変化に合わせて定期的に見直しましょう

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